Yo manのmanは何故メーンと発音されるのか?- /æ/ raising

1. manの発音はメーンなのか?

ラッパーのセリフのイメージも強い「ヨーメーン!」ですが、

このメーンは複数形のmenではなく単数のmanです。

しかし、ネイティブの発音を聞くと

限りなくmenと言っているように聞こえるのです。

実際の発音を聞いてみましょう↓

どうでしょうか?日本語として聞いても、

「メーン」に聞こえませんか?

イギリス英語のmanはどうでしょうか?

こちらも聞いてみましょう↓

どうでしょう?こちらの方がいわゆる

「あ」と「え」の間の音という説明が

しっくり来るのではないでしょうか?

あるいは、限りなく「あ」に近い

という言う方もいるかもしれません。

しかし、アメリカ英語では「え」で発音されています。

そうすると一つ疑問が生まれます。manが「メーン」なら、

複数形のmenはどうなるのか?

聞いてみましょう↓

はい、これも同じく「え」で言ってますよね。

それではどう発音仕分けているのか。

結論から言うとmanの方が母音が長く

「メエエエエエン」で、

menは母音を短く「メン」です。

音の長さに違いはありますが、

母音そのものの音色にはほとんど違いが出ません。

紛らわしいですね。

この様に、元々は/æ/の発音であったものが

/e/に変化してしまう現象を/æ/ raisingと言います。

この現象については、

ありがたいことにWikipediaの記事で綺麗に解説されています。
(https://en.wikipedia.org/wiki//%C3%A6/_raising)

日本語版はないため、この記事で解説していきます。

2. 例えば他にはどんな単語が?

よく起きやすい条件として、

/æ/の後に鼻音(m,n,ŋ)が来る場合というものがあります。

例えばcamp。最初に音声が"raised"されていて、

「え」に近くなっています。後に流れる音声が辞書通りの発音です

そしてcan。

そしてlanguage。/æ/の後に/ŋ/が来ています。

ルールをまとめると下記になります。

やりたい放題レベルで複雑に分岐しています。

ルールが適当されない単語は「その他」と分類されていて笑えます。

ネイティブでも他の方言を真似ることが

非常に難しい理由の一つとして、

「どの場合に発音がどうなるのか」を覚え、

普段の日常会話で

それを無意識に出すことが想像以上に

鍛錬が必要なスキルだからです。

基本的にGeneral USと書いてある列が

(一応)標準とされる発音ですので、基本的にはこの列を覚えられば良いでしょう。